進まないDXプロジェクト。
逆転の鍵を握るのは、アジャイル

デジタル時代に必要な力を手に入れるために。
アジャイルにDXプロジェクトを進めよう。

DXの重要性が叫ばれるようになってから、すでにまる4年が過ぎました※1。コロナ禍を経て、すでにDXプロジェクトの成否はビジネスの明暗を分つほどになっています。一方で「2025年の崖※2」を前に、DXプロジェクトを思うように推進できず、焦る組織もまた多いと感じています。

私たちレッドジャーニーは様々な組織と伴走し、アジャイルの考え方をもとにDXプロジェクトの支援をおこない、着実に実績を積んできました。

「なんとなくのDX」から「学びによって切り拓くDX」へ。DXプロジェクトを着実に進めるノウハウを、わたしたちは持っています。

※1 2018年9月 経済産業省 ”DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~”
※2 同レポートでは、2025年までにDXをおこなうことの重要性が説かれており、その期限を「2025年の崖」と表現している

はじめに——
なぜDXプロジェクトが必要なのか

過度な最適化の病

現在の日本の組織は業界・規模を問わず「過度な最適化の病」にかかっている——業界横断で多くのプロジェクト支援をおこなってきた私たちがたどり着いたひとつの結論です。

多くの日本の組織は、ミッションへの最適化・効率化を進めるために

  • 不用意に選択肢を増やして迷わないようにする
  • 予め正解とする方法を定めておき(標準化)、それ以外の選択をしないようにする

こうしたやり方を強力に推し進めてきました。そのために組織のサイロ化が進みました。こうしたあり方が日本の組織の強みとして働いた時代は確かにありましたが、デジタル化によって社会環境や顧客のあり方が短期間に変化する現代においては、その体制が組織的な進化の機会を妨げている——そう私たちは考えています。

DXプロジェクトの重要性

このように硬直化した組織の中で、十分な競争優位性を確保するために必要なのは、デジタル社会に対応した新たな領域への踏み出しであり、顧客とともに新しい価値の創出に向き合う力です。

DXプロジェクトの目的は、既存の事業に新しい武器を提供すること、そしてそれをもって実際に新しい価値を創出すること。漫然とDXに取り組むのではなく、具体的な価値創出を組織でおこなう中でDXへの突破口を開くことです。

あわせてDXプロジェクトへの取り組みの中で、デジタル社会に対応した力(ケイパビリティ)を組織的に育て、手に入れることも中長期的には重要なことです。

DXプロジェクトを通じて身につけるべき力(ケイパビリティ)とはなにか

DXプロジェクトには新規事業モデルの構築・新しい分野での人材育成・既存事業のデジタル化・前例のない技術導入など、不確実性が高い要素がひしめいており、プロジェクトの初めに描いた絵地図のとおりに進むことはまずありません。

デジタル化が高度に進んだ昨今、社会環境や顧客は絶えず変化しつづけており、状況に適した新しい価値は日々アップデートされ続けています。そんな不確実な状況の中、組織に求められるのは自ら探索・適応を繰り返し、状況に適した意思決定と行動を取る力です。

そしてそれを成し遂げるための鍵となるやり方・あり方こそがアジャイルなのです。

私たちレッドジャーニーは、業種・規模の大小を問わず、長年多くの企業にDXプロジェクトの支援活動を続けてきました。このページでは私たちのアジャイルによるDXプロジェクト支援の概要をお伝えします。

参考事例

日本生活協同組合連合会さま
2020年から始まった日本生活協同組合連合会(日本生協連)のDX-CO・OPプロジェクト。人材育成と組織変革の難しさをスタート当初から危機感とともに抱えていました。レッドジャーニーとの関わりが大きな転機になったと語る事業企画・デジタル推進本部 執行役員 本部長の八木沼様。およそ半年間の伴走支援を経た今、「協同組合である生協ならではのDXとしてDX-CO・OPプロジェクトを絶対に成功させたい」という力強い言葉には、どのような想いが込められているのでしょうか。
パーソルホールディングス株式会社さま
2022年4月に開催したレッドジャーニーのカンファレンス『Red Conference April』。ご登壇いただいたパーソルホールディングス株式会社では、2020年に立ち上げた「アジャイル推進室」を中心に「アジャイル組織運営」に取り組んでこられました。GIT本部IT企画部 部長/ITガバナンス部ITマネジメント室 室長の渡辺良夫様は、取り組みを始めたきっかけについて、「自分たちの組織が目指すものがすべてアジャイルに包含されていると感じた」と話します。

そもそもアジャイルとは何か

アジャイルはもともと、ソフトウェア開発のあり方・やり方ですが、現代においては組織全体の運営や意思決定にも応用されるようになりました。

かいつまんで説明すると、

  • 最初に決めた目的に一直線に邁進するのではなく
  • 短いスパン(スプリント)で計画と実行・ふりかえりを繰り返し、組織(チーム)で学習のスパイラルをつくる
  • スプリントごとに状況に応じた意思決定を行うことによって、不確実性の高いプロジェクトにおける致命的な失敗を避ける
  • 探索と適応を繰り返す中で徐々に不確実性を減らしていく

というプロジェクトの進め方であり、それを支える組織のあり方です。アジャイルは具体的な行動のフレームワークをもっており、数多くの組織で実践される中で磨き上げられてきた歴史をもっています。

DXプロジェクトの推進を通じてアジャイルなあり方・やり方を組織的に学び、得ることが、今後の組織に必要不可欠なことであると、私たちは確信しています。

「動く出島」をつくる

アジャイルCoEの創設

DX推進のための部署は多くの事例に挙げられていますが、その多くは失敗しがちです。DX推進部署の中では特例的に柔軟な制度が導入されテストケースとされますが、そのやり方を他の部署や広めるときに摩擦が起こり、結果として広がらないケースが多いのです。

私たちが最初に始めるべきは、こうした典型的な失敗を乗り越えるための、組織横断型のアジャイル推進チーム・アジャイルCoE(Center of Excellence)を創設することです。

組織にアジャイルを適用し、DXプロジェクトを確実に進めるためには、組織全体を俯瞰しながら戦略的・組織横断的・長期的に取り組む必要があります。

そのために、組織内の経営層・管理層・現場のエキスパートと、外部の専門家(レッドジャーニーからの人材を含みます)からなるアジャイルCoEを編成します。

「動く出島」をつくる

アジャイルCoEは、設立されたときから外部へのアジャイルの敷衍を目的として創設されます。プロジェクトの方針決定やセミナー開催などの教育・啓蒙活動はもちろんのこと、DXプロジェクト・それに関連するチームの現場にも出向き、積極的に関与します。

動かない特区としての「出島」ではなく、組織のあらゆるレイヤーに働きかける機動的な組織、それが動く出島であるアジャイルCoEの特徴です。

DXプロジェクトを立ち上げる

アジャイルによるプロジェクト推進は旅(ジャーニー)に似ています。今いる場所と状況を確認し、「どこに行きたいか」をチームで決めます。そして定期的に居場所と状況を確認し、ふりかえり、進む方向を見直します。この章では、私たちレッドジャーニーがDXプロジェクト立ち上げのために踏むステップをご紹介します。

1. ミッションの設計
アジャイルは「最初に決めた目的に縛られない」と述べましたが、かといって組織やチームの目指す方向が定まっていないことにはプロジェクトを始めることはできません。まず必要になるのは活動の指針となるミッションの定義です。
ここでは「現時点で」「可能な限り」「未来への縛りとはせずに」という条件のもとにミッションを定め、チームの共通認識とします。
2. プロジェクトの組成
ミッションの設計と同時に、アジャイルCoEメンバーと関係者を含めたチームの組成を行います
ここでは「物事」ではなく「人」にフォーカスを当て、現状のメンバーのケイパビリティ(業務遂行に必要とされる能力・手腕)の把握、目標に進むために必要な人材の補完などを行います。また人・チームとミッションの接合を行います。
3. 運営の仕組み化
アジャイル導入によるDXプロジェクトは3ヶ月毎のスパンに区切られます。私たちはこれをひとつの単位としてジャーニーと呼んでいます。このジャーニーとチームそれぞれの運営をスクラムと呼ばれる型で行います。
プロジェクトを短期間のタイムボックス(スプリント)と長期間のタイムボックス(ジャーニー)に区切り、それらのタイムボックスごとにチームコミュニケーションの場(ふりかえり)を持つことで、バックログの見直しや方向性の修正(むきなおり)を行えるようにします。

DXプロジェクトの果てにあるもの

デジタル化の波はすでに社会そのものを変化させ、もう元に戻ることはありません。私たちに必要なのは絶えず「現在顧客に届けるべき価値」を探索し、実践し、学びを得ることの繰り返しの中で、時代への適応を行える力です。

組織がある限り、ジャーニーに終わりはありません。あなたの組織が自律的に探索適応を繰り返せる状態にすること、それがレッドジャーニーのミッションであり、私たちが考えるDXの本質なのです。

レッドジャーニーによる
DXプロジェクト支援の特色

DXを推進するためのコンサルテーションサービスはたくさんありますが、私たちがおこなうDXプロジェクト支援の特色は以下の通りです。

  • DXプロジェクトの目的をアジャイルへの適応と位置づけ、具体的なワークと取り組みによって必要な能力を獲得するための道を開きます。
  • 自らアジャイルCoEの一員としてあなたの組織と伴走します。
  • アジャイルの専門家として大企業から地方自治体など、幅広い組織の改革に携わってきた実績と経験があります。
  • 現場にも精通しており、上から押し付けのDX・経営層が満足するだけのDXを行いません。

参考サイト・書籍

これまでのレッドジャーニーのサービスやDX・アジャイル導入への取り組みに関心のある方は、以下のサイトもご参照ください。

Enagile
アジャイルブリゲード
仮説検証型アジャイル開発

チーフ支援者・市谷の著書

わたしたちについて

チーフ支援者のご紹介

市谷 聡啓 / Toshihiro Ichitani

株式会社レッドジャーニー 代表 / 元政府CIO補佐官 / DevLOVE オーガナイザー

サービスや事業についてのアイデア段階の構想から、コンセプトを練り上げていく仮説検証とアジャイル開発の運営について経験が厚い。プログラマーからキャリアをスタートし、SIerでのプロジェクトマネジメント、大規模インターネットサービスのプロデューサー、アジャイル開発の実践を経て、ギルドワークス・レッドジャーニーというふたつの組織を立ち上げる。それぞれの局面から得られた実践知で、ソフトウェアの共創に辿り着くべく越境し続けている。

他の著書に「組織を芯からアジャイルにする」「デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー」「正しいものを正しくつくる」「カイゼン・ジャーニー」「チーム・ジャーニー」「いちばんやさしいアジャイル開発の教本」、訳書に「リーン開発の現場」がある。

株式会社レッドジャーニーについて

ともに考え、ともにつくり、そしてともに越える。

わたしたち株式会社レッドジャーニーは、組織変革から新規事業・プロダクトの立ち上げに伴走し、ともに実践する組織体です。2017年の設立から、100を超えるプロジェクトを手がけ、DXをはじめとする組織変革の推進・新規事業の開発に関わってきました。

わたしたちは事業の積み重ねを通じて、社会における分断・組織内における分断・そして人々の暮らしの中に潜む分断をつないでいくことをミッションとして活動しています。

DXプロジェクトの真ん中で、立ち尽くすあなたへ。

DXプロジェクトはそもそも不確実性が高いものですが、不確実な未来に向き合うための方法はあります。私たちは様々な組織との価値探索を通じてその知見を確実に積んできました。

これまでのご説明に共感するところ・気になることがありましたら、ぜひご連絡ください。

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